オイルフィニッシュの家具について
ウメバチファーニチャーの家具は、オイルフィニッシュと呼ばれる植物性オイルを使った塗装で仕上げています。
一般的な家具のようにコーティングしていませんので、木の伸縮を妨げず、木そのものの質感を感じていただくことが出来ます。
テーブルの天板などには、下塗りに撥水性を高める塗料を使っていますが、キズや汚れが付くのを完全に防ぐことはできません。
初めはキズや汚れが気になったりすることもあると思いますが、あるところを過ぎると、よい風合いに感じるようになり、経年変化を楽しんでいただけます。
あまり気にせず、お手入れをしながら長く使って頂くのが理想です。
コーティングされた家具はだんだんと汚れやキズが目立つようになり、よい風合いにはなりません。
オイルフィニッシュの最大の魅力は木の質感と経年変化を楽しめることにあります。
家具のお手入れ
■普段のお手入れ
普段はから拭きか固く絞った布巾で拭いて下さい。
水分が多い状態の布巾で拭くと、だんだんと表面がカサカサになってしまいます。
■メンテナンスワックスによるお手入れ
オイルフィニッシュの製品(特にテーブル天板)は、メンテナンスワックスを使ったお手入れをお勧めしています。
ワックスによるお手入れをすることで、撥水性が高まり、汚れの付着を防止することが出来ます。
お手入れは表面だけでも構いません。裏面はやらなくても大丈夫です。
ワックスはドイツの自然塗料メーカー、クライデツァイト社(代理店:プラネットジャパン)のラッペンワックスをおすすめしています。
ネット通販で手に入れることができますし、当工房でもご用意できます。
クライデツァイト社は、天然由来にこだわった塗料を製造しており、ものづくりに対する哲学はドイツ国内でも高評価を得ています。
【お手入れ方法】
艶がなくなってきたと感じたらお手入れして下さい。
①ボロ布(Tシャツ生地がよいです)にワックスを少量とり、木目に沿って擦り込みます。なるべく薄くのばして下さい。
②15~30分放置します。放置時間は季節により変わります。夏15分、冬30分程度。
暖房等を使用していると放置時間は短くなりますのでご注意ください。
③綺麗な布で、余分なワックスを拭き取ります。拭き取った後でもワックスがしみ出てくることがあります。その場合は繰り返し拭き取りを行って下さい。拭き残しがあると、べたつきの原因となります。
④乾燥時間は約12時間です。
※メンテナンスに使用した布は自然発火する可能性があります。使用後は、水に浸してから処分して下さい。
長くお使い頂いたテーブルの天板削り直し、再塗装は有償にて承っております。
家具の取扱い
キズや汚れはあまり気にせず使って頂くのがお勧めですが、より長く家具をご使用いただくために、以下の点にご注意ください。
・水分はできるだけ早く拭き取ってください。
・鉄製品を濡れた状態で置かないで下さい。木に含まれるタンニンと鉄と水が反応して黒くシミになることがあります。もし、黒いシミができてしまった場合は、対処法がありますのでご相談ください。
・熱いものを直接置かないでください。なるべく鍋敷きやコースターをご使用ください。
・反りや割れの原因となりますので、直射日光の当たる場所や冷暖房機の近く、水に濡れる場所、屋外にはできるだけ設置しないでください。
・家具の上に花瓶などを置きっ放しにすると、日焼けの跡が残ってしまうことがあります。とくに最初の半年くらいはお気をつけください。それ以降は特に気にしなくても大丈夫です。
経年変化
木で作った家具は使う年数に従って色合いが変化していきます。
日光の当たり方や木の種類により変化の仕方は異なります。
日光が直射日光なのか、ガラス越しの光なのかによっても変わってきます。
淡い色の木材(クリ、サクラなど)は、紫外線によって濃い色、暗い色に変化する傾向があります。
ガラス越しで紫外線がカットされると、逆に淡い色、明るい色に変化するものもあります。
一方で、濃い色の木材の変色パターンは様々で、樹種によっては、紫外線で淡い色、明るい色に変化したりします(ウォールナットなど)。
また、オイルや柿渋などの塗料自体の変化も見た目に大きく影響してきます。
柿渋塗装の変化は、オイルフィニッシュに比べて大きく、はっきりと分かります。
■クリ材で製作した椅子の経年変化
製作直後の椅子と製作から約1年経過した椅子を比較してみました。
色が濃く変化したことが分かります。
写真中左:製作直後 右:約1年経過
■色々な木の経年変化
オイルフィニッシュをした木片の色合いの変化の様子です。
左:塗装直後 右:塗装から約1年
オニグルミ
クリ
シウリザクラ
ホオノキ
キハダ
ケンポナシ
タモ
ヤマザクラ
全体的に濃い色、暗い色に変化しました。
それぞれの木の詳しい説明についてはこちら
■塗装による経年変化の違い
塗装から約2ヶ月経過したクリの木片と、塗装直後のものを比較してみました。
無塗装でも色が濃く変化しましたが、塗装することでより色が濃く変化していることがわかります。
■柿渋塗装の変化
柿渋塗装を行ってから約2ヶ月経過した天板(クリ材)の上に、柿渋塗装を行ったばかりの木片を置いて撮影しました。
色の違いをお分かりいただけると思います。
柿渋塗装を行った場合、環境にもよりますが、塗装から約2週間で色の変化をはっきり感じることができます。
だいたい1年経過すると変化は落ち着いてきます。